まずはサンプルを試してみよう
長々と説明するよりサンプルを見てもらった方が早いと思います。弾き語りの友を起動し、[ファイル]→[開く]メニューをクリックして、アーカイブに同梱されている’sample.csm’を読み込んで下さい。すると画面下部のソース入力エリアにマクロ言語を記述したソースが表示されます。
とりあえず[画像プレビュー]ボタンを押してみると、プレビューウィンドウが開いて次のようなコード譜が表示されます。
ここでさらに[PNG保存]ボタンを押せばコード譜をPNG画像として保存でき、[印刷]ボタンを押せばプリンタで印刷することができます。基本はこれだけです。簡単でしょう?
ソースの書き方
コード譜の元になるソースは独自のマクロ言語で記述します。ソース入力エリアに直接入力することもできますし、使い慣れたテキストエディタで作成してから読み込むこともできます。その場合、拡張子は’.csm’として下さい。
%T 荒城の月 %L 土井晩翠 %C 滝廉太郎 %より後ろはコメントとみなされます %K Dm [Dm]春高楼の [Gm]花の宴[<A] [Dm]めぐる盃 [Gm]影[A]さし[Dm]て [Dm]千代の[>Gm]松が[Dm]枝 [Gm]わけ出で[A]し [Dm]昔の光 [Gm]今[A]いず[Dm]こ %B [Dm]天上影は [Gm]変わらね[A]ど [Dm]栄枯は移る [Gm]世の[A]すが[Dm]た [Dm]写さん[Gm]とて[Dm]か [Gm]今もな[A]お [Dm]ああ荒城の [Gm]夜半[A]の月[<Dm]
上のソースを見ていただければ、勘のいい方はすぐおわかりになるでしょう。基本は歌詞の中にコードを[角カッコ]で括って記述するだけです。
コードが変わる文字の直前にコード記述子を挿入します。するとその文字の上にコードが表示されます。コードの記述方法はリファレンスで詳しく解説しますが、一般的に使われている表記法で記述できます。大文字と小文字を区別しますので注意して下さい。’/’に続けてベース音を記述すると分数コードも表現できます。解釈できないコードが指定されるとエラーメッセージが表示されます。
コードの前にある'<‘や’>’などの記号はコードの表示位置をずらすための位置指定子です。これは2音節以上の漢字の中でコードが変わる場合に対応するためで、半角分だけ前後にずらすことができます。
ソースの中で’%’より後ろの文字はコメントとみなされ、コード譜には表示されません。また空行は意味を持たず読み飛ばされます。行間を空けたいときは’%B’を挿入します。
先頭にある’%T’ ‘%L’ ‘%C’はヘッダを記述するための特殊な記号で、それぞれタイトル、作詞者、作曲者を意味します。記号の後ろには1つ以上のスペースを空ける必要があります。
また’%K’は曲のキー(調)を指定する特殊な記号です。ここではキーがDマイナーであることを示しています。省略することも可能ですが、キーを指定すると派生音の表記が曲のキーに応じて自動的に選択されるようになります。これは移調しても正しく保たれます。
以上でだいたいおわかりになったかと思いますが、言語の詳しい仕様はリファレンスで解説します。
派生音の表記について
「派生音」とはシャープやフラットのついた音のことをいいます。たとえばC#とDbはどちらも同じ高さの音を表しますが、これを「異名同音」といいます。どちらを使っても結果は同じですが、一応決まりがあって、その曲が属するキー(調)の調号を使って表すことになっています。たとえばAメジャーのキーなら調号にシャープが3つ付きますから、DbではなくC#と表記するわけです。
本ソフトウェアでは入力されたコード記号を解釈していったん数値に置き換えています。そのため入力した通りに表示されるとは限りません。キーを自動的に判定する機能は持っていませんので、適宜マニュアルで切り替えて下さい。
なおバージョン1.01以降ではキー指定子で曲のキーを指定することにより、自動的に適切な表記が選ばれるようになりました。
バージョン1.04以降では派生音の表記に「デフォルト」が追加され、使用頻度の高い順に表記が選ばれます。主にC調の場合に使用します。
移調とカポタスト表記について
[移調]のボックスで数値を上下させることにより、半音単位で移調することができます。±11まで設定できます。
また[カポタスト]のリストから選択すると、元のキーを保ったままカポタスト付きで演奏した場合のコードを表示します。最大9カポまで選択できます。移調との組み合わせも可能です。カポタスト付きを選んだ場合、コード譜の上部にカポタスト位置が挿入されます。
また歌本などでは初めからカポタスト付きのコードで書かれている場合がありますが、そのまま入力するとカポタスト位置やキーに矛盾が生じます。この場合、バージョン1.02以降で導入されたカポタスト指定子を使用してオリジナルのキーに自動的に変換させることができます。たとえばオリジナルのキーがAで2カポで演奏する場合(演奏のキーはG)、曲の冒頭に次のように指定します。
%K A %P 2
この後に歌本通りのコードを入力すると、内部的には自動的にオリジナルキーに変換されてカポタスト位置や移調が正しく反映されます。
画面サイズの設定について
PNG画像出力の場合、横方向のピクセル数を指定すれば縦方向のサイズは自動的に調整されます。歌詞の長さにかかわらず、1枚の画像として出力されます。
印刷の場合は用紙サイズに応じて適当な位置でページ分けが行われます。
印刷について
用紙サイズはデフォルトでA4になっています。用紙サイズを変更したいときは、[ファイル]→[プリンタの設定]メニューをクリックして用紙サイズを選んだ後、印刷を行って下さい。
[印刷プレビュー]ボタンを押すと設定された用紙サイズでの印刷イメージを事前に確認することができます。
フォントの指定について
[オプション]メニューから歌詞・コードそれぞれのフォントを個別に指定することができます。メニューをクリックするとフォント選択ダイアログが開きますので、お好きなフォントや色を選んで下さい。日本語はなるべく等幅フォントをおすすめします。
コードが重なってしまうときは?
歌詞の文字数に対してコードが短い間隔で変わる場合、前後のコードが重なって表示されてしまうことがあります。この場合は次のいずれかの方法で調整して下さい。
- コードのフォントサイズを小さくする。
- 歌詞のフォントサイズを大きくする。
- 歌詞にスペースを挿入して調整する。
- 漢字をひらがなに直す。
また歌詞を挿入せずにコードだけを続けて記述した場合、歌詞に適当なスペースが自動的に挿入されます。コードが重なる場合は上記と同様にして調整して下さい。
ライセンス表示について
PNG画像には強制的にライセンス表示が埋め込まれます。これはウェブサイトに貼り付ける際、ライセンスを表示することを条件に使用を許諾するものですから、削除して使用することはできません。
商用利用などでどうしても削除したい場合はご相談下さい。有償にて許可させていただきます。
制限事項
横方向の長さは考慮していませんので、画面からはみ出した分は表示されません。プレビューを見ながらはみ出さないように調整して下さい。
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